46年ぶりの大雪だったそうな、東京の雪。
いわれてみれば。
ふかふか雪に足をぐいと差し込むその感覚は、子どものころ以来。
今朝も寒さはいっそう厳しいけれど、
雪の落ちた枝先には春の兆しが芽吹き始めていました。
2月の最初は「サラダ玉ねぎ」
凛々しい緑の葉がついた、真っ白な玉ねぎです。
普段の料理に使う、おなじみの玉ねぎは「黄玉ねぎ」で、
春の新玉ねぎは、黄玉ねぎを収穫後、即出荷したもので、
水分が多く辛味は少なめ。
生食もできますが、ほどほどの辛味が残ります。
対して、サラダ玉ねぎは「白玉ねぎ」で、
辛味が少なく甘みの強い品種で、生食用として出荷されます。
生産量も少なく、緑の葉が瑞々しい短い期間が旬。
東京では静岡県産が多く並びますが、1月~3月初旬がその季節です。
ざくざくと切ってサラダでいただくのが真骨頂。
微かな辛味が春らしい味わいです。
水分が多く、柔らかなので、加熱調理向きではありませんが、
極短時間の加熱は、甘みを一層引き立ててくれます。
冬の寒さが残る旬のはじめにお勧めなのが
「サラダ玉ねぎのミディアムレアソテー」
食感を生かすために、玉ねぎは2㎝以上の厚みに切ります。
フライパンにピザチーズをひとつまみ広げて弱火で熱し、
じりじり溶けたところに玉ねぎを乗せ、チーズがこんがり焼けるまで、さらに10秒ほど。
空いたところに、もうひとつまみチーズを広げ、チーズめがけて返し、さらに10秒。
玉ねぎの辛味を堪能したいなら、片面だけのソテーで十分。
生の玉ねぎの美味しさを損なわない、ミディアムレアの焼き加減がポイント。
さくさくとした歯切れ、ふわんとひろがる瑞々しい甘み、
遠くに残る微かな辛味、チーズの香ばしさ。
お皿の上に春が乗っているような、楽しい気分にしてくれる一皿です。
少し時間が経って辛味が強くなったものには、卵を加えて。
玉ねぎの真ん中に卵を割りいれて焼き、
チーズを振り掛けて、エイヤッとひっくり返してこんがり。
卵は半熟、玉ねぎの焼き加減は同じくミディアムレア。
とろとろの黄身をからめていただけば、優しい辛味が美味しい隠し味。
黄玉ねぎの新玉ねぎでもおいしくできますので、春のひと品としてどうぞ。
中国料理でおなじみのターツアイ。
如月菜という和名も持つようですが、漢字で書くと搨菜。
搨はなじみのない漢字だけれど、
日本語読みでは「トウ」「タフ」訓読みは「ウ」ツ、「ス」ル。
中国語では「拓」や「摺」と同意で、
押さえつける、する、と、日本語とほぼ同じ意味、
アブラナ科の青菜で、おなじみの青梗菜同様、
青菜にしては暑さにも強く、耐寒性もあり、
一年中栽培されて店頭に並びます。
でも、一番おいしい季節はなんといっても冬。
関東では、冬も深くなるころ、
座布団のように丸く広がったターツァイが店頭に並びます。
傘を閉じたような通年物と種類が違うわけではなく、
タンポポの葉が地面に広がって冬を越すのと同様、
冬を暮らすためのロゼッタスタイルです。
寒さにあたった青菜が、甘みがぐっと増すのはご存じの通り。
そして、茎は短めで、葉は肉厚、でも決して硬くはなく、
火を通すと厚手のシルクのようにしなやか。
一見すると、広がった直径の大きさにびっくりするかもしれませんが。
一枚の葉は小さめなので、手にしてみれば軽いもの。
根元を切ってバラバラにして葉の形のまま炒めるのがお勧め。
おひたしや漬物、煮物など、使い道はたくさんありますが、
ニンニクと一緒に塩炒め、生姜と一緒にオイスター炒め等、
冬のターツァイはシンプルな油炒めでその真価を発揮します。
八百屋さんで見かけたら、一株小脇にかかえて帰り、じゃっと炒めてみませんか?