お知らせが大分遅くなりました。
4月の終わりに
新しい本が刷り上がりました。
緊急事態宣言の真っ只中。
書店もほぼしまっている頃でした。
多くの方々が自粛している時に
宣伝するのもはばかられ、
何もお知らせしないまま、
ひと月が過ぎてしまいました。
作り置きというほどでもない、
とても簡単でシンプルな作り置きと
そのアレンジ料理が77点。
セブンイレブンに並べていただいているので
コンビニでも手に入るような
おなじみの食材ばかりを使いました。
緊急事態宣言が解除され、
日常へ向けて進み始めましたが、
この先の毎日にもきっと役に立つ一冊です。
Amazonでも扱いが始まりましたので
リンクを張っておきます。
ぜひ手に取ってごらんください。
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文友舎発行
SNSやニュース等でご覧になった方も多いでしょう。
晴れわたった昨日の東京上空では
新型コロナウイルスに対応する
医療従事者などへの敬意と感謝を示すため、
ブルーインパルスによる飛行が行われました。
罰当たりなことに、さして興味はなかったのですが、
ちょうど昼休み時間だったので、私も屋上へ。
見渡せば、そこかしこの屋上にたくさんの人の姿。
大人も子供も、誰もが心待ち、そわそわしている。
できすぎなほどに青い空と白い雲。
その中を飛んでくるブルーインパルス。
特別な期待もなく、ただ20分見上げていた。
なのに、現実に戻ってみると、驚くほど気分が晴れ晴れ。
非常事態宣言が解除され、期待と不安が入り混じる毎日。
安心はすぐにはやってこないだろうけれど。
心が揺れる日は、また空を見上げよう。
そんな力をもらった飛行でした。
緊急事態宣言も解除され、
みるみると街ゆく人が増えた。
ストレスは呼吸を浅くする。
心が落ち着かない、と思ったら
何はともあれ深呼吸。
頭の中でゆっくり数えながら、
3拍たっぷり吸い、2拍止め、
3拍ゆっくり吐く。
それでも落ち着かないなら
生の野菜の瑞々しさに助けてもらう。
無意識に作っていたのが
千切り大根のサラダ。
千切り器で太めに切り、
しょっつる、ごま油、酢、
青唐辛子、ニンニクで和える。
パクチーがあれば刻んで散らす。
イライラに唐辛子は禁忌だけど。
今週はちょっと背を押してほしかった。
旬まで間がある青唐は、まだ辛味がのらず、
青い香りの優しい刺激が心地いい。
眠っているつもりはなかったけれど。
シャキッと目が覚めた気分。明日もがんばれそうです。
撮影した料理はスタッフで試食し、
残りは持ち帰ってもらうのが基本。
おかげで、持ち帰り用容器は
種々様々な物を使ってきた。
少し前。
お気に入りが製造中止になり。
いっそ今まで使ったことのない物を。
なんて考えてしまったら、
只今、絶賛迷走中。
レンジアップや密閉、スタッキング可。
等々、付加価値が欲しいけれど、
当然それなりの価格。
比べて弁当容器は比較的安価。
なので、ぽちっとお試し購入。
たっぷり入り、詰めやすく、効率がいい。
その反面、重ねにくく、
大きくてポリ袋やエコバックに入らない。
そりゃ、弁当はいくつも重ねたりしないものねえ。
母の様子伺い弁当に使ってみた。
母用ご飯は100g。私は160g。
おかずをみっちり詰めたら母には量が多すぎた。
自粛の毎日、母は食欲が落ち、私は食べ過ぎる事に慣れた模様。
コロナ禍の中、急遽テイクアウトを始めたお店は
容器を決めるのも大変だったろうなあ。なんてことを思った次第。
さて、昨日の続き。
つけ汁や煮汁は
無理に使い切る必要はないけれど。
使い切れれば、
少しだけ心が軽やかになる。
それに。使い慣れれば、
野菜や肉の旨味が溶け込んだ、
便利な合わせ調味料のひとつで。
ざざっと、流す気にもなれない。
まあ、それでも。
気ぜわしいときは面倒が先に立つ。
気持ちに余白があるときに、楽しめるなら、試してほしいなあ。
■鶏肉と夏野菜の穏やか酢煮
鶏もも肉1枚*300g
玉ねぎ1個 ピーマン3個
ナス2本 ニンニク1/2かけ
塩・コショウ・豆板醤少々
オリーブ油大さじ1
さっぱり煮豚の煮汁300ml
①鶏肉は一口大に切って塩コショウをする。
②野菜は食べやすい大きさに切る。
③油で①を焼き、にじんだ脂を少しふき取る。
④②を加えてざっと炒め、さっぱり煮豚の煮汁と豆板醤を加える。
⑤大きく混ぜながら、汁が煮詰まるまで5分ほど煮る。味を見て塩で整える。
すでに三廻り目の酢醤油だから、酸味は究極にまろやか。
醤油の塩気もかなり抜けているので、塩で味を調えるのが肝。
片栗粉でとじれば、甘酢あんかけ風。
まだ少しばかり残っていたので、
半端物同士ということで。
■小松菜の根っこの酢煮
小松菜の根っこ1把分*140g
さっぱり煮豚の煮汁の残り50ml
塩胡麻小さじ1/2
①小松菜は根の部分を切り落としてひげ根を除き、半分に切って水に放って汚れを落とす。詳しくはこちらを参照。
②煮汁と鍋に入れ、水大さじ1を加えて柔らかくなるまで煮る。塩味が薄いので、塩胡麻をひねって散らす。
最初、煮汁が少なく感じるが、小松菜から水分が出て、煮ているうちにかぶる程になるので水は足しすぎない方がいい。
強めの中火で汁気が少なくなるまで3~4分煮れば食べごろ。
使い切ることに正解はないし、その必要もないかもしれないが。
自分で仕込む醤油や酢の成り行きを考えると、
多くの時間と手間の結実を一滴すら無駄にしたくない。
との気持ちが先に立ってしまう。
とはいえ。
毎回優等生ではいられないから、あくまでも気楽に、ね。
ピクルス液とか煮豚の煮汁とか。
たくさん残り、使いあぐねがちなもの。
これらの使い方は、
著書やクラスでもさんざん紹介済み。
先々週、いや、もうちょっと前。
久しぶりに作った酢醤油漬け。
何度か質問を受けたことがあったが、
写真で紹介したことはなかったので、
本日はそのつけ汁の行く末を。
■キュウリとミョウガの酢醤油漬け
キュウリ4本*400g
みょうが8本*150g ショウガ50g
A(味醂・酒各50ml だし昆布3cm角1枚)
B(酢250ml 薄口醤油60ml 好みで赤唐辛子)
①野菜は食べやすく切って清潔な保存瓶に入れる。
②Aを小鍋に入れて煮立ててアルコール分をとばし、Bを加え、①に注ぐ。
冷めたら食べごろ。冷暗所保存14日間。
我が家にしてはややしょっぱめ味だが
冷蔵庫に空きがなく、20℃を超える室温で安全に保存できる仕様。
野菜は大根、カブ、セロリ、ニンジンなど、手近にあるもの総量600gで代用を。
さて、本題の残ったつけ汁。
手っ取り早く使い切るには煮豚がお勧め。
■さっぱり煮豚
豚肩ロースまたは好みの部位600g程度
酢醤油漬けのつけ汁全量300ml程度
①肉と煮汁を鍋に入れ、キッチンペーパーで落し蓋をし、蓋を5㎜ほどずらしてかけ、弱火で40分煮る。
肉がぎゅっと入る小さめ鍋を選べば、
煮汁が程よくひたひたに。
肉が汁から飛び出ているなら、20分経ったところで裏返せば大丈夫。
冷めるまでおいて、肉を取り出す。
煮汁はもちろん保存。
かたまり肉のほか、スペアリブ、鶏肉、手羽先などでもおいしくできる。
酢を使った汁で煮る際、心配しがちなのが酸味。
一度役目を終えた漬け汁は、酸味も塩気も穏やかなので、
煮豚の味も想像以上に薄味な仕上がりになる。
酢の酸味の多くを占める酢酸は118℃にならないと揮発しないが、
40分煮ている間に湯気とともに徐々に抜けるのでさらにまろやか。
酸味はほんのり感じるが、5月の陽気ならかえっておいしく感じる程度。
酢の力で保存性が良く、肉はいつも以上にほろりと柔らか。
煮豚の保存期間は冷蔵7日。煮汁は冷蔵14日。
この煮汁の行く末はまた明日に。
自粛要請が続く東京も
多くは通常モードで仕事中。
さて。五月の味といえば緑茶。
緑茶も紅茶もウーロン茶だって。
みなcamellia sinennsisu。
これを、よくぞ緑茶という存在に
加工してくれたなあ、と、
つくづく感謝するほど、緑茶好き。
はやる心をストンと静め、
落ち込みがちな心は下支え。
リセットに必須の一杯。
新茶はまだ手に入れられずにいるので
気分だけ一足先んじ。
本日は緑茶のシフォンパウンド。
材料(パウンド型1台)
A(卵白2個 黒糖18g)
B(卵黄2個 蜂蜜5g 黒糖・牛乳・米油各30g)
C(強力粉または米粉20g アーモンドプードル70g 粉茶大さじ1*9g ベーキングパウダー5g)
①Aはボウルに入れてメレンゲに泡立てる。
②別ボウルにBを入れて乳化するまで混ぜ、①の1/3量を加えて混ぜ、Cをふるい入れる。
③粉っぽさがなくなるまで十分混ぜたら、残りの①を2回に分けて加え、さっくり混ぜる。
④紙を敷いた型に流し、160℃のオーブンで30分焼き、140℃に下げてさらに10分焼く。
焼き時間は電気オーブンの目安。
1/8切れで糖質量8.3g
黒糖をラカントなどの甘味料に置き変えると3g
糖尿病家系の私は12等分。
これなら黒糖でも1切れ5g。
プロの作るスイーツの
贅沢な甘味、深い風味は、
生活の彩でもあり、
今も必要不可欠な存在。
そんなお菓子を作りたいと
励んでいた頃もあるのだけど。
今は、自分で作るなら、
家族の健康を保つ、
できるだけシンプルなものを。
と、思っている。
特別な材料もテクニックもなし。
時に生の生地の味見をし。
料理のように加減しながら気軽に作る。
随分と力が抜けてきたなあ。と、思うこの頃。
ゴールデンウイーク入り口まで
仕事だったので、今週は半休モード。
朝陽に目覚め、はなと散歩。
途中でラジオ体操に参加し、
お腹を空かせて家に戻り、
仕事準備に慌てることなく頂く朝食。
些か、のんびりに慣れすぎ、
以前のスピードに戻れる気がしない。
ま、戻る必要はない、の、かも・・。
撮影は最低人数でこなしていたし、
打ち合わせはすべてメール。
賄い菓子を焼くことなく過ぎたひと月。
そろそろストックの色々を使い切らなくちゃ。
ということで、クリームチーズとココアのケーキ。
作り方を説明するほどのことは無く。
材料すべてをフードプロセッサーで滑らかに混ぜ、紙を敷いた型に流す。
バットにのせ、湯を2㎝ほど張り、170度のオーブンで50分ほど焼く。
焼き上たてはふわふわとろとろなので、
すとんと落ち着くまで冷蔵庫で冷やしてから切り分ける。
ただこれだけ。
冷ます時間がないなら、ココットに焼いて熱々を食べるのもおいしい。
材料(パウンド型1台分)
クリームチーズ200g ヨーグルト100g
黒糖55g ココアパウダー40g
卵2個 あればチョコレートリキュール大さじ1
1/8切れで糖質量8g。黒糖の代わりにラカントなどの甘味料を使えば2g。
しっかり食べなくちゃ、と言いつつ、食べすぎている毎日だけど。
このぐらいならいい、よね?
ニンジンサラダを作るため、
手に合う千切り器が欲しいと願い。
結局出会えないまま、現在。
あきらめかけていたこの頃。
最低条件はオールステンレス製。
写真はどこで出会ったのか
すっかり忘れてしまったが
その姿形もジャスト好みの日本製。
見つけたときは、
そりゃ嬉しかったのだけど。
肝心の人参がうまく切れず、
不満を抱え、
包丁を交えてしぶしぶ使っていた。
ふと思いたち。
垂直に立てて使ったら。
これが面白いようにシャリシャリ。
ニンジン4本を5分程度で刻み終えた。
最高!!
包丁が一番便利、と思いこんでいたせいで、
使うための創意工夫を全くしてなかった。
子供のころからいやというほど聞かされてきた「〇〇とハサミは使いよう」そのもの。
今さらレシピの必要はない料理ですが、一応。
一袋まとめて作るのがいつものことなので、ニンジンは4本。
皮を薄くむいて、千切りにする。
最後まで全部切ろうとすると無駄に時間がかかるので、
持つのが不安になる長さになったらやめてそちらは別の料理に。
味のなじみをよくするために、ニンジンに重量の1%の塩をまぶし、10分ほど置く。
あとはお好みのままに。
リンゴ酢とオリーブ油でシンプルにあえて、糸寒天を加えたり。
金柑のスライスを加えたり。
ヨーグルト、レモン汁、オリーブ油であえたり。
とまあ、いつものおうちの好きな味で。
今回のお供は、
いただきものの庭木の夏ミカン。
これが清々しいほどの酸味。
甘くない夏ミカンを食べたのは
子供のこと以来かもしれない。
これを加え、調味料で和えて完成。
冷蔵庫保存2週間の予定。
味付けにヨーグルトを使うと
徐々に発酵が進み、保存中に味が変わる。
それも楽しくはあるので
お好みのままに。
切り残した部分のレシピはまた後日。
今回の材料
ニンジン4本*正味550g 塩小さじ1
酸っぱい夏ミカン正味350g
調味料(昨年仕込んだリンゴ酢大さじ5 オリーブ油大さじ3 蜂蜜大さじ1/2 コショウ少々)
外出できないっていうのに、
清々しくも晴れわたる空。
最高の休日日和。
窓を開け放ち、気分だけ満喫。
八十八夜も過ぎ、
五月五日は立夏。夏の入り口。
春を感じる間もなく、夏。
はやいもの・・・。
春の香りのひとつが野ブキ。
地域により大分異なるが。
3~6月あたりが出回り時期。
寒い地域ではこれからで、
東京では旬が過ぎる頃。
落ち着きなくすぎた春の諸々を
時間のある今、
香りとともに思い返す、
そんな一皿。
材料
野ブキ250g チリメンジャコ10g 油揚げ1枚
ごま油大さじ1/2 A(味醂大さじ21/2 醤油大さじ2 水カップ1/3)
①フキは皮をひき、水にさらし、食べやすく切る。
②ごま油でチリマンジャコとさっと炒め、Aを注ぐ。
③混ぜながら3分ほど煮、油揚げを加えて汁気がなくなるまでひと煮。
野ブキは、薄味でも濃味でもおいしい。
この春一度も食べていないなら、
フキと油揚げだけを
だし汁250ml 酒・薄口大さじ1
程度の薄味で煮含めるのがおいしい。
今回の炒り煮は
保存性を考えてやや濃いめなので、
4~5日はおいしくいただける。
フキは薬用植物で、
古くから、鎮咳袪痰に用いられてきた。
ただし、薬用ということは
毒性も併せ持つということで。
フキトキシンと呼ばれる
ピロリジジンアルカロイドを含む。
フキは地下茎で増えるが、
そちらには食べない方がよいほどの含有量。
香りとほろ苦さを楽しむなら、
鮮度の良いものを下茹でせずに調理するのが断然おいしい。
多かれ少なかれ、全ての植物に毒性は含まれるのだし。
とはいえ。
食べる量を鑑みて、下茹での下ごしらえを付け加えてどうぞ。