寒さのせいか、あわただしさのせいか、お腹の疲れが取れません。人と会う時間も増え、外食することも多くなり、簡単に言えば、通常の仕事モードの時間になったということです。 胃腸が疲れたときは休ませるに限ります。わかってはいても、仕事時間に走り出すとそうもゆかず。そんなときは、普段パンで仕立てる朝食を、数日お粥に変えます。 最初は小豆粥。小正月にいただく、無病息災を願うお粥ですが、「補」の力、「瀉」の力、ともに優れている理にかなったひと品です。
小豆をゆでこぼして仕立てる方もいますが、
「瀉」の力を生かそうと思えば、
浸水したコメに直接加えて炊き始めるのがお勧め。
米と共にゆっくり40分炊きあげます。
自分の体調を見つめ、粥の水加減は調節します。
一日のスタートとして、朝食にいただくなら五分から七分粥で。
塩はごくごく控えめに。
お粥の持つ力もありますが、
熱々のお粥をふうふうとひと匙ずついただく時間。
その時間をゆったりとすごす事でも良い効果を生むようです。
写真は庭に育った柚子です。
柚子は若いころの成長がゆっくりな柑橘で、
私の育った地域では、
「桃栗三年、柿八年、柚子のうすらばか十三年」
なんて言い回しがありました。
16年とか、18年という地域もあるようですが、
もちろん柚子の悪口ではなく、
果実が実るまでに長い時間がかかるという知恵の伝授です。
我が家の庭のゆずもご多分に漏れず、
果実が実るまでまさに13年かかりました。
葉っぱの上で育つアゲハチョウを見ていた年月が長すぎて
13年目に黄色く熟した実を目にしたときは、ちょっと信じられませんでした。
それ以降、毎年、たくさんの実をつけてくれるので、
ゆず茶やコンフィチュール、コンポートに仕立てるのが1月の一番の楽しみになっています。
今月の台所仕事にゆず茶をご紹介していますので、
参考にしてくださいね。
柚子として市場に出回っているのは、大きな「本柚子」
それに比べて二回りほど小さな我が家のゆずは「花柚子」と呼ばれます。
どうやら種類の異なる柑橘らしいのですが、
習慣的にどちらも柚子として扱われています。
自生しやすい花柚子は本柚子に比べて皮も薄く、やわらか。
比べて、本柚子の方が大きい分果汁が豊かで、香りも秀でているといわれています。
やわらかな酸味と豊かな香りは、日本人の食卓に欠かせないものですね。
たいていの果物の果肉は体を冷やすといわれていて、
柚子の果汁もどちらかといえば涼性ですが、皮は体を温めてくれる温性の食材です。
そして、その香りは、滞った「気」を巡らせる力に満ちています。
心がざわついて眠れない夜も、温かなゆず茶が助けてくれます。
あ、ゆず茶がなくても、大丈夫。
ゆずの輪切りと果汁、はちみつをカップに入れ、
熱湯を注いで5分間ゆっくり蒸らして召し上がれ。
すがすがしく優しい香りに包まれれば、
心もゆっくりと落ち着きどころをみつけてくれるようです。